先月末、「玉川の家」が竣工しました。一緒に仕事をするのは初めてとなる地元の工務店さんでしたが仕事熱心な現場監督さんを始め職人さんの丁寧な仕事のおかげで近所でも評価の高い家が出来ました。大工の棟梁はいつも穏やかで、他の職人さんが作業上「これは無理だよ」と悩まれる中で「大丈夫。なんとかなるよ」と言って問題をクリアにしてくれました。ピリリとした現場の緊張感も棟梁の「なんとかなるよ」の一言で空気が変わります。この「空気」は現場において非常に重要で、初めは批判的な意見の多かった職人さんも現場が進むにつれ多少の問題があっても積極的に問題解決に協力してくれるようになります。現場を監理していて一番の喜びは現場の職人さんが誇りをもって仕事に向かってくれたときです。最初は「出来ない」と背を向けられていた職人さんが最後には「いい具合だろう?」と誇らしげに笑ってくれた時、仕上りの出来映え以上に嬉しくなります。今回もそんな場面が幾度かありました。また週末毎にお茶を差し入れて下さった建主さんのお心遣いも現場の「空気」作りには非常にありがたい存在でした。「一緒に作り上げる喜び」が建築の一番の醍醐味なのだと今更ながら改めて気づかせてくれた現場になりました。皆さんに感謝!です。(中嶋)