小雨の残る日曜の午後、湯島の旧岩崎邸を見学してきました。明治後期に建てられたこの洋館は外観からの想像に反して木造建築2階建て(ちなみに地下室とロフト付)。内部は広葉樹を用いた重厚感のある木調で、ペルシャ刺繍張りの天井や金唐皮紙と言われる超高級壁紙等、旧財閥のゲストハウスらしく贅を尽くした造りでした。西洋とオリエント建築の展覧会のごとく、様々な様式を取り入れられているのは時代的な背景があったものと推察しつつ、ところどころに見られる窓ガラスや窓金物等の細部に建築家の建物への思いを見たような気がしました。併設される渡り廊下続きの和館や地下道でつながるビリヤード小屋を見学し終えた頃には雨も上がりすっかり青空になっていました。緑豊かな庭園を歩き、戦前戦後そして現代へと、この建物が経てきた時代の変遷に思いをはせながら、梅の名所・湯島天神へと向かったのでした。(中嶋)