居心地のいいキョリ

自宅のリビングダイニングには、部屋の中央にむかって1メートルほどの耐力上必要な壁が突き出ています。ソファを置くにも、庭とのつながりにも、部屋全体にはとても邪魔な存在です。ただ、その壁際のスペースに限って言えば、日当たりもよく長椅子を置くにはもってこいの場所です。別の誰かが壁の向こうでテレビを見ていても、それほど気にならずに本を読んだりプランを考えたりできますし、楽しそうな会話には飛び入り参加することもできます。

居心地がいいと感じる家族どうしのキョリは、物理的な距離はもちろんです、視線の抜けや、音の伝わり方でもコントロールできますが、どこまでのつながりが最適かは、家族の考え方によってかなり差があるような気がします。長椅子を陣取って久々に家族と一日過ごしながら、それぞれ自分のやりたいことをしながら、緩やかにつながっているなあ、となんだか妙に実感しました。いつか壊してやろうと考えていた1メートルの壁が、今の私の家族にはちょうどいいみたいです。(青島)