梅雨入りし、蒸し暑い日が続いています。事務所のベランダで涼んでいると見渡す限りビルビルビル…。草木の見当たらないヒートアイランドな眺めです。ヒートアイランドとは都市部の気温がその周辺部に比べて異常な高温を示す状況を指すそうで、東京は世界でも代表的なヒートアイランドだそうです。その中でもとくにこの事務所は日本の道路の起点にあたる日本橋に位置するヒートアイランドの中心地。更にコピー機・パソコン・そして基礎代謝の高そうな爽やかな男性数名が肩を並べるヒートパラダイスです。クーラーを掛けず我慢していると、居るだけで汗がにじみ図面が腕に貼りつき、不快な限りです(のでクーラーを掛けてしまいます)。これだけ見渡す限りのビルや車がそれぞれ好き放題排熱していたらヒートアイランドになるのも納得です。東京都や兵庫県では条例で屋上緑化(一定の条件下)が義務付けられているそうですが、そんな付け焼刃的対策で改善されるのでしょうか?また、さらりと屋上緑化をして下さいと法律で決められていますが、そう簡単ではありません。もともと屋外だしちょっと工夫すれば出来そうですが、造園屋さんによれば都市部屋上の過酷な状況に植えられる木々達はかなり無理しているそうです。水・土・栄養の補給や手入れは欠かせないし、周辺にホコリや落ち葉を飛ばす訳にもいかない、ダメになれば総取替えになり、建物の寿命と共に緑地としての使命も終えてしまう都市部のシワ寄せを無言で引き受ける悲しい緑地になっているそうです。もっと根本的な思考が必要なのだろうと思いますが…クーラーのスイッチを切る事の出来ない今日この頃です。夏はまだこれから…。(石井)