ふるさと納税

2,3日前、都会の都道府県と過疎の県とで地方税の奪い合いを“ふるさと納税”という形でしているニュースを見ました。政府官僚は政治的思惑で動かそうとするため情緒に訴えようとしているようです。個人的にブログでは政治的テーマに触れまいとしているのですがあまりにその場しのぎの人気取りの言葉でやろうとしているのでもうちょっと将来を見据えた哲学から考えられないのかと思い長くなりましたがついブログで取り上げてしまいました。

 簡単に言いますとふるさと納税などという気分的判断の入る余地を無くし、環境保全の観点から分配する方法を考えられないものかということです。つまり都道府県毎に人口一人当たりの森林等co2を吸収するなど地球の負荷を削減する能力の度合いに応じて負荷をかけている度合いの高い自冶体が税を削減能力の高い自冶体に分配するという考え方をしたらどうかというものです。

今日本では林業は衰退し森林が放置され、また異常なまでの宅地開発が進められたりしています。そのため山は荒れ豪雨時の水の保持もままならず崖崩れを引き起こすなど国土が荒れていっていることを国民の誰もが気にしています。日本では本来生産性の高い都会が対処すべき温暖化対策の一部を地方の森林が肩代わりしてくれています。その辺の根拠と理由を明解にしたら都会がその分の税を負担することはやむを得ないと思えるのではないかと思います。政治を預かろうとする者ならそのようにいびつな状態を立て直すという哲学に裏付けられた政策を提案できないものなのでしょうか。そのような税制の仕組みをつくることでそれぞれの自冶体もその後望ましい政策を反映するようになる気がします。

住宅の設計屋風情が何を言うかと怒られそうですがその住宅設計にも林業の衰退が不可思議な現象を生じさせているのです。私どもで開発しているFM工法という集成材を使った木造の壁式工法の家づくりを山武杉で有名な杉の産地のすぐ隣の千葉の印西でしようとしたとき、建材の大半を占めるその集成材の壁材は、アメリカで伐採した松を広島県の呉の工場で乾燥させ集成材にし、宮城県の石巻で加工(プレカット)し、千葉県の現場に搬入するのがなぜか最も低価格で実現する方法なのです。

どう考えてもおかしい捩れた社会状況と思いません?どうせ払う税ならその捩れた状況を是正する方向に向かって働くと思って払いたいものです。(藤原)