7月半ば、連休を挟んで早めの「夏休み」をとり10日程日本を離れました。このところ上海・香港・台北などの東アジアへの旅が多かったので今年はアジア以外の文化圏に行きたいと思い、(一応)イスラム圏のイスタンブールと12年ぶり2度目のパリへ。学生の頃に1ヵ月近く欧州の建築を見て回った時、旅の後半に訪れたパリは旅の疲労から思うように歩けず悔いが残っていました。今回はそのリベンジと、混沌としたアジアの真逆をいくなら都市計画の象徴・パリかなと。一方、アジア大陸とヨーロッパ大陸の接点であると同時にキリスト文化とイスラム文化の接点であるイスタンブール。日本とパリと異文化な三国それぞれの「今」が体験できておもしろいだろうと考えたのです。イスタンブールの中でもハギア・ソフィアは見たいと思い続けていた建物の一つでした。ビザンチンからオスマントルコへと支配が変わり改宗による改修を受けながらも取り壊されずに生き長らえたのはこの建物の圧倒的なスケールと美しさに依るものでしょう。歴史的な変遷の中で数奇な運命を享受してきた祈りの空間。キリストのモザイク画とイスラムの神の名を刻む円板が同居する中、中央上部の大きなドームを取り囲む小さな窓から光が差し込む様はまるで地上の闇を照らす天界の光のよう。現在は博物館でありながも神聖さを失わない、この偉大なる建物が経て来た1500年という時間と歴史に思いを馳せながら歩きました。
美しさにシビレたパリの報告は次回に。。。(中嶋)