二年ぶりに訪ねた仙谷望楼は凛としたままでした。今日、工務店さんの点検に同行して久しぶりに訪れてきました。二年も経つとどの住まいも住人の味が色濃くなり始めます。その人なりの住まい方を見せていただくのは何となく楽しいものです。
今回感心したのはご主人の住まい周囲の制御力でした。まず目に付いたのは北側ヤードの斜面に設けた丸太の階段です。プロの造園やさん以上です。狂いやすい木製建具の鎌錠の受け金具も自分で調整し、外部建具と破風の汚れを紙やすりで落として塗装までされていました。
庭の隅では落ち葉を大量に集めて腐葉土づくりをしていたり、また崖に生えている大きな木には手製の巣箱が設けられ、デッキには鳥寄せの水場台があり、その下には20匹以上卵から孵化させたというカブトムシの虫かごもありました。生活を楽しんでいるのがよくわかりました。うれしく頼もしい建て主さんです。
このような能力はなんと言うのかなと帰り道考えたのですがやはり“住みこなし力”というのがぴったり来る気がします。なにかあっても自分で工夫しつつ上手に処理ししかもそれを楽しみながらする。なかなかできるものではありません。
もっとも浸透枡まで作ろうと無理してぎっくり腰になられたとか、程ほどに体と相談しいしいやっていただきたいものです。(藤原)