左の写真が前回のブログで書いた「旧白州邸武相荘」の柿の木です。「武相荘」は初めて訪れた時からその佇まいに郷愁を覚え、それ以来、久しぶりに行きたくなる特別な場所になりました。重厚な茅葺は今年の9月に葺き替えられたばかり。邸内は撮影禁止なので写真でご紹介出来ませんが、農家の土間を洋間に改装した客間には吉田茂の遺品である革張りのソファが当時のまま置かれ、ここに集まったであろう人々の会話が聞こえてきそうな雰囲気が漂います。北向きの書斎は薄暗い部屋に外の緑に反射した光が美しく映え、いつ訪れても暫くその場を離れられなくなります。邸内外に白州次郎氏作の家具等が置かれ、「しらす」と名前を刳り貫いた工具箱や郵便受けは何とも微笑ましく、とても終戦直後GHQとの攻防を繰り広げた人物とは思えません。そのギャップに益々の魅力を覚えながら表に出ると木々の間から西陽が差し込み「鈴鹿峠」の竹林に風が吹き抜けていきました。一年を通して四季折々の自然が楽しめる「武相荘」は今年公開6年目の秋を迎えています。(中嶋)