桜新町の現場にて採用する桐のフローリングが事務所近くの反物工房で採用していると知り、早速見に行ってきました。昭和初期の建物を4年前に改装したそうで、毎日磨いているという桐の床は程良く飴色になっていました。桐の床材は傷が付き易い反面、足に軟らかく何より温かいんです。エアコンだけの空調でも足元はほんのり暖かく感じた程でした。店舗の隣では反物の染めを行っている最中で、「江戸紅型」という染め方を知りました。模様を掘った型紙を用いて色をのせていく染めの技法は特殊でこの工房の職人さんが現在ただ一人の「江戸紅型職人」だそうで、後継者がいない現状からすると事実上最後の職人さんになるとの事なのです。反物を広げた板の上を足を揃えてひょいと飛び越えたその身軽さに驚きつつ、また一つ伝統技能が消えてしまうのかという切ない思いを抱きながら工房を後にしました。(中嶋)
写真右は実際に使われた型紙を再利用した照明。http://www.koromoya.com/shop/