”鎌倉の家”の建主さんが最初購入された土地は、茅ヶ崎の旗状敷地(上の写真)でした。
この土地の購入前に相談があり、建主さんから「この敷地でも”真間川の家”と同じような住宅が建つでしょうか」と、この土地を購入される前に聞かれました。土地の広さや形状・方位等からみて可能であると判断し「出来ます」とお答えしました。
その返事を聞かれてから土地を購入されました。
この土地での計画案は、気にいって頂けたようでした。
しかし提示後、「その案の良し悪しに関係なく敷地を変更したい」という申し出がありました。私たちもびっくりしました。どうも私たちが案を製作している間に建て主さんは、最初の土地の環境が気に入らず、違う土地を物色していたようです。新しい土地が下の写真です。
最初の土地は、確かに敷地の四方が二階建ての住宅で取り囲まれた感じがしました。私たちもその土地での建築的可能性は助言できても、他の土地の出物の可能性や価格との折り合いまでは助言できません。多分建て主さんのこだわりが最初の土地の環境に抵抗を覚えさせたのではないかと思います。後の敷地は実質に計画できる広さは殆ど同じで、四方が建物に囲まれる可能性も同じでした。
ただ、未だ東隣には住宅が建っていなくて広く感じられたことと、南道路が行き止まりではないことが、違った印象を与えたと思われます。しかし、後の敷地は、西側に細い道路が存在していてその分セットバックして道路に敷地を提供させられるということと、その道路からの高度斜線制限があるという欠点を持っていました。また後で問題になってくる、文化財埋蔵地区でもありました。容易に判断はしにくい要素を持っていました。