東久留米の増築現場は現在塗装工事中です。
既存の構造材の梁や柱を、ほぼ黒に近いエボニー(黒檀)色の浸透性のオイルで仕上げています。家具はチークの床材にあわせて濃い目の茶色としました。まだ一度塗りの状態ではありますが、柱や梁を塗装して空間がぐっと大きく変化したように感じました。左官の壁の仕上がりが楽しみです。
元は壁の中に隠れていた柱や梁ですので、ホゾ穴等がところどころにあります。それらをひとつひとつ大工さんが丁寧に補修されている最中でした。埋め木しやすいよう穴の余分な部分をノミで削り、少し大きめの材をきつめに埋めて表面を綺麗に鉋で削り、最後に塗装します。
埋め木をする形は単純な形ばかりではないので、腕の見せ所でもあります。昔の柱は現在のものと寸法が違ったり、多少歪んでいたりと、壁を張る前の下地調整が結構大変だったとのこと。綺麗に整えられた出来上がりの状態ほど、ぱっと見てまったくひっかかるところがないので、そういった工事過程での職人さんの苦労になかなか思いが及ばないものなのですが、この仕事に限ってはそうではないなあと思いました。