あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。
昔の建主さんから頂く年賀状には、お子さんの誕生や成長などご家族の変化や、住み心地などが綴られています。少しどきどきしながらも、設計していた頃を思い出し、今の暮らしぶりを勝手に想像させて頂いております。新たな気持ちで仕事を始めるにあたっても、とても嬉しく励みになる時間です。
結設計に相談に来てくださる方は、二人以上のご家族の場合がほとんどで戸建て住宅の設計が主なのですが、最近、もっと豊かでバリエーションに富んだ単身世帯の住まいのあり方はないものかなあ、と個人的に考えることがあります。世代の違う単身者が集って住むマンションではない庭付きの家や、高齢になったときに大きな家にひとりぼっちで住むかマンションに移り住むかの選択肢以外の方法は選べないものか、など・・・。家の形だけでできることは限られますが、昔からそのような試みはあって、そういった動きに変化がでてくるような気がします。
そんなことを考えるようになったのは、実は朝日新聞の年末からの連載記事『弧族の国』の影響も多々あります。毎朝恐る恐る、でも、読まずにはいられないのです。衝撃的な内容で、なんでそうなってしまうのだろう、何か解決策がなかったのかなあ、と毎回憤ったり悲しく思うのですが、実はあまり他人ごとだとも思えないのです。弧族とは、家族と対照的に単身者をさしていて、高齢や引きこもりがちで孤独であるというマイナスの意味合いを強く含んで使われているようです。私自身が独身だという理由も大いにあるのですが、どんなひともひとりになることはある思います。コミュニケーションの不在という問題は簡単に解決できるとは思いませんが、「弧族」となることを恐れなくてもいい世の中にならないものかなあと心から思います。住まいのありようで何かできないかなあ思います。
新年早々、少々重い話題になってしまいました(笑)。今年もいろいろな出会いを大切にして、学んでいきたいと思います。
さっそく来週末横浜で内覧会を開催させて頂きます。内覧会で皆様にお会いできることを楽しみにしております。