一昨日、宮古、山田町の仮設現場見て戻ってきました。
いやあ、山田町の現場は6月25日の引き渡しに向けて、てんてこ舞いです。はっきり行って設計者監理者は邪魔者です。現場管理者は何人いても足りません。当事務所の加藤も監理者ならぬ、管理者です。自分が現場で余計な口を出そうものなら、クレーンからものを落とされそうです。
何か是正したいと思っても、1戸か2戸じゃありません。59戸やり直すんですか?と詰め寄られると何もいえなくなってしまいます。設計者の懸念や拘りは、とんでもない短工期、低予算、納期遅れ、作業者不足の前では、何言ってんの?です。現場での修正は殆ど不可です。現場の手違いで何か相談された時のみ多少の意見陳述が出来るぐらいですかね。それも施工性がよくないと不可です。
敷地を与えられて1週間で3箇所での敷地の配置計画と各棟毎の戸別の実施設計を済ませなければならない仮設住宅の場合、設計者としては出来上がっていく現場は、設計段階での検討不足、反省、後悔等の塊です。特に結設計のように必要以上に時間の掛かる遅筆の事務所では、設計期間の短縮は拙速以外の何ものでもありません。現場での即答も怖くなってきます。
でもよく考えてみたら、こんなどこでもやったこともない未完の工法の提案にのって、やろうとしてくれ、思慮不足の設計図書でも、とにもかくにも現場を納めてくれている現場の方々に、むしろ感謝こそしても、不平は言えるはずのものではなく、所詮身から出た錆、天につばするようなものです。
それに引き換え、つくし公園の現場は人が足りずこんな状況です。
端部の住戸は無垢の木がたっぷり現しになります。
それに引き換え、界壁のある住戸は遮音性能を必要とし、界壁の内壁に吸音材を充填し、両側に石膏ボードを貼り、その上に合板を貼る必要があり、こうなってしまいます。
夏の射熱対策に屋根の断熱材の上にルーフィングを敷き、その上に熱気逃がしに最も安価な小波鋼板を葺いて、通気層を兼ねさせています。でも先端に小波の断面が見えると貧相に見えますので、しっかりと板金できれいに処理しています。費用増と現場からは言われましたが。
ユニットバスが搬入されたら、サッシの大きさより、窓を設けられる範囲が小さいのです。他の仮設住宅では風呂に窓がないのが多いから、ここも止めよう、となりました。そこで踏ん張って、窓の取り付け位置を外側にフレームを設けてふかし、何とか取り付けました。そのため外壁側の内部に下がり壁が生じてしまいました。木部現しでもしょうがないと思ったら、現場の監督の意地で、しっかりとFRP板で包んで施工していました。ありがたい。
窓の大きさがこんなに小さい。その方が熱が逃げないからいいのかなあ。中に住む人は閉塞感が生じないかなあ。
セキスイさんの仮設住宅はいい意味で普通です。さすがに一日の長があり、仮設住宅としては一枚も二枚も上です。