家によって生活が変わる

スタッフの鈴木です。私事なのですが先月引っ越しをしました。
地域(最寄駅すら)も変わらず外に出れば何も変わらない生活をしているのですが、今回の引っ越しにより家の中と家での過ごし方は大きく変わりました。
なんせ今の家は前の家の1/10くらいなんです。といっても今の家が異常に狭いわけではなく、前の家がシェアハウスだったからです。
ただ、シェアハウスといってもほとんどの方が想像出来ないほど斜め上をいった変わった家だったんです。
だからこそ?家を設計している人間としてどうしても…一度そこで生活をしてみたくなってしまったのです。
そこでの生活を詳しく書くほど「???」が浮かんでしまうと思うのでざっくりと書くと、大空間にそれぞれの個室がありその個室が木の箱なのです。箱の底には車輪がついていてその箱は移動可能。
シンプルといえばシンプルなのですが、その箱の角度を変えたり移動することで大空間の「余り」の空間が変化し大きい空間にも狭い空間にも、共用部にも個室空間にも変化します。
さらにこの家、DIYやり放題!(現状回復なし)こんな家なのでクリエイティブな職業の人ばかり。彼らにかかればこの空間、可能性は無限大です。
私の部屋も一部に壁紙を貼り、上部はペンキで塗って友人に絵を描いてもらいました。まさか部屋の壁に友人に絵を描いてもらう日がくるなんて…なかなか出来ないですよね。
ここでの生活は概念を崩されることばかりでした。
快適とは?プライバシーとは?集中できる空間とは?広いと感じる?狭いと感じる?人との距離感は?生活の優先順位は?
いろいろなことを感じさせられました。一見住空間として落第点をつけられてしまいそうな空間なのですが、なぜだかどことなく、でもしっかりとそれらをクリアしてしまっているように感じるのは、きっとハッキリ区切られていないからこそ見えない壁や境界線をより個人が意識するようにさせる空間だからなのではないかと。それもまた一つの空間設計。
今は引っ越しをして、また違った「住む」と向き合っております。
不便な空間を体感したが故に一つ一つ意味や便利さを理解し、提案できるのだなあと日々の生活で感じております。生活に合わせて家が変化してくれれば良いですが、実際は家に合わせて自分が生活を変えるしかありません。もちろん一から自分に合う空間をつくれたら最高ですが自分が住みながら生活しやすい空間に変えていくのもまた一つの楽しみです。その家の良さと悪さを理解した上でのリフォーム工事も魅力の一つ。長年住んでいる家であれば不便さや汚れにも思い入れが出来たりしますし、逆に生活していると忘れていた魅力に改めて気づいたり。
南林間の改修工事も残すところと新しくするところ、その境界はとても悩みましたが、変化した生活に合ったより豊かな生活が送れるような空間になったと願いつつ…もう少しで竣工です。南側の大きな開口の前に日当たりの良いデッキが出来上がりました。大変身した内部空間は竣工写真にて、ビフォーアフターを楽しみにお待ち下さい。

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