※がけ地近くの敷地に対する制限等は、その土地がある都道府県の「がけ条例(崖条例)」によります。
がけや擁壁のある敷地例についてのブログ記事▷「崖や擁壁のある敷地の計画、県条例に注意」もご覧ください。
工事を始める前の敷地の様子。
敷地の西側(写真左)が「がけ(崖)」で、正面の幅が狭い平らな部分に建物を建てていきます。
崖の下に家を建てるには
仮にこの崖が崩れた場合、そのまま何も考えずに崖下に建てた建物は、土砂に埋まってしまうことになってしまします。
そのため、このがけの崩壊に対して安全であるための対処をしなければなりません。
地盤が強固で崩壊しないことを証明すること(がけの地盤調査・構造計算が必要)という方法もありますが、強固ではない崖の方が多いので、この方法が取れる崖は少ないと思います。
崖下に家を建てる場合、現実的な方法としては下記の3つの方法が考えられます。
1.崖から十分に距離をとる。
(崖の上端から、崖の高さの2倍以上の距離をとる)
2.崖と建物の間に土砂を受け止める土留めをつくる。
3.建物内への土砂の流入を食い止める壁を鉄筋コンクリート造等でつくる。
その他にも、擁壁を設置する方法もありますが、工事費がかなりかかるので、ひとつの住宅を建てるためにそこまでお金を掛けるのは難しいと思います。
崖が崩れたとしても、このコンクリートの壁で受け止めるようになっています。
写真左側の色がグレーの部分が鉄筋コンクリート造の壁です。このコンクリートの壁で、崖が崩れた際には土砂が家の中に入ってくるのを防ぎます。
このコンクリートの壁は土砂の建物内への流入を止めるためのものなので、このコンクリート壁には窓等の開口部をつくることは出来ません。窓をつくったら、崖が崩れたとき土砂が家の中に入ってきてしまうためです。
ただしその範囲は土砂を受ける部分なので、このコンクリート壁の上は窓をつくれます。
大工さんの仕事
リビングから東側をみたところ。目の前は道路で、道路の向こう側も崖で下がっているため、眺めはとても良いです。
私が作図した屋根先端の詳細図を基に、大工さんが合板に現寸図を描いているところ。この現寸図に垂木を載せて加工のための線を垂木に写して、垂木先端の加工をしていきます。
加工して桁上に設置した垂木。先端が鋭角になっている部分が、現場で大工さんが加工したところです。
屋根の勾配は、結設計では珍しい4寸5分勾配。
「幣串」を飾って建て方作業終了です。
幣串(へいごし・へいぐし)について知りたい方は、過去記事▷「幣串」をご覧ください。(加藤)
後日追記
完成した「あきる野の家」の紹介記事を設計事例に掲載しました。
こちらも是非ご覧ください。