相模湾の見える家、完了検査

相模湾の見える家、完了検査の帰り道、振り返って見た夜景

伊豆高原に建てる家、3軒目の「相模湾の見える家」の工事が竣工検査を済ませました。現場は残工事もあり、養生やら資材やらがあって、見せられる写真が取れないまま帰りかけ、振り返ってみたら、照明に照らされた室内と軒裏の小幅板が夜空に浮かび上がっていて、思わずスマホのシャッターボタンを押しました。後で聞いたら現場の職人さんたちも夜景に感心して写真を撮っていたそうです。

最後の作業の駐車場のコンクリートに、穴を空けて玉竜を植える作業

この仕様は見積り時、予算オーバーで取りやめの筆頭候補でしたが、建て主さんが原設計通りやらせてあげたい、と後押しして頂いて日の目を見た仕様です。穴が大きいと躓く可能性があり50Φにしたのですが少し小さかったかもしれません。早く葉ぶりが大きくなって欲しいところです。このほかにも原設計を尊重していただいたところが多くあり、設計者冥利に尽きる建物でした。その辺をいずれ設計事例で紹介させていただきたいと思います。

この家の売りの二階のコーナー窓のある桧板貼り壁の温泉付き浴室

土地を決める時、一緒に見て回ったので、この敷地のこの角にコーナー窓を設け、開放されたようにし、露天風呂の雰囲気を出そうと考えていました。そのため防犯もぬかりなく考えています。ちょうど借景の紅葉が美しいときでした。

トップライト付きの室内干しスペース

天高く雲流れる秋の空が見え、気持ち良い空間になっていました。

洗濯機置き場の洗濯機ホースをつなぐ排水金具のため一段下げた床

排水金具は床より一段下げて、洗濯機をあげないで排水ホースが繋げられるように考えました。洗濯機パンは、作業時、足のつま先が洗濯機パンに当たり使いにくいので、敢えて使っていません。

現場では、どこかにうまくいかないところが出て来るものです。今回デッキの床レベルを引違いサッシの下端に合わせたら、室内物干しの開きドアと微かに当たることが判明し、その分全体を下げようとすると、デッキ床の根太下地が十分取れません。そこで開き扉とキッチンの出入り口前の床のみをほんの少し下げ、広いデッキ床との間に15mm程の勾配を設けています。竪樋が下りてきているデッキ床の部分です。微かに床材に切れ目が付いていて、よく見ると分かります。その作業のためか、デッキ床に切り込んで入るはずのグレーチング金物が未だ付いておらず、これから付けて外流しになります。

二階デッキから眺められる景色

デッキからは伊豆の山並みと遠くに相模湾の海が見えます。大室山も西北の空に僅かですが望むことができます。

今回の設計では、細工はしても目立たせず、目に付くデザインは慎んで、住む方が自由に住みこなせるよう、おおらかな空間を目指したつもりです。真の審判は住んでから出て来ます。何とか合格のようであれば、他の方も案内して見ていただき、設計事例でも紹介させていただければと思っています。

「相模湾のみえる家」のブログ記事