南米ペルーボリビア ウロス島の家

去年は1年を通して忙しい日々が続いていましたが、その合間をくぐって、海外旅行に行けました。
写真は、南米のペルーとボリビアに行った時のものです。

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写真はペルーとボリビアにまたがるチチカカ湖という湖で、その湖に「浮かぶ」ウロス島です。ペルー側のチチカカ湖畔にあるプーノという街から船で行きました。プーノはアンデス山脈のほぼ中央に位置していて標高3,850m、チチカカ湖は標高3,810mほどあり、富士山より高いということになります。

ウロス島はトトラ(フトイに似た植物)と呼ばれる葦でできていて、作り方は、湖面に顔を出すようにして生えているトトラを刈り取り、刈り取ったトトラの根をブロックのように縄でまとめて土台を作り、その上にトトラの葉を厚さ3mほどに積み重ね、敷き詰めて出来上がりです。メンテナンスは、水に浸かっている下の方のトトラが腐ってくるので、また上から新しいトトラを補充して敷き詰めていきます。家もトトラで作られていました。

島には大小様々あり、学校や病院など島民向けの施設のほか、レストランや商店、宿泊施設など観光客向けの施設まで一通り揃っています。
島には畑もあり牛など家畜も放牧されていて、餌は敷き詰めてあるトトラです。
人が食べることも出来て、島の子供たちはおやつ代わりによくトトラをかじっているそうです。

トトラとは、新たな土地にもなり、建築材料にもなり、餌にもなり、食料にもなってしまうというわけです。
島に降り立った感触は、フワフワ、ムギュムギュした感じで、場所によっては足がズボっといきそうでした。

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風で流されないようにアンカーで繋いでいるようですが、激しい暴風雨の時は遠くへ流されてしまうこともあるそうです。
浮いているので、もちろん上下水道は完備されていませんし、電線も通っていません。よく見ると、島には小さな太陽光パネルのポールが立っていました。これはフジモリ大統領による援助政策の一環だそうで、ウロス島では貴重な電気をもたらしているようでした。ラジオや夜の照明くらいは使えるそうです。

ウロス島の生活は、なんでも整っている日本の暮らしから考えると不便かもしれませんが、考えようによっては自由に「土地」を取得でき、アンカーを外せば好きな場所へ「引っ越し」も簡単、家族が増えれば「増築」し放題、子供が独立する時は切り分けて「分譲」も可能と、日本ではなかなか難しいことが簡単に出来てしまい実はとても便利なのかもしれません。