愛知県の犬山市に 建築物の移設、保存、展示を行っている「博物館明治村」という施設があります。広大な敷地には明治時代の建築物を中心に、大正、昭和の建築等も含めた多数が保存されており、その中の10件は国の重要文化財に指定されています。
明治村に移設・復元展示されている有名な建築物の一つに、登録有形文化財に指定されている、建築家フランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテル旧本館(ライト館)中央玄関があります。玄関部分のみの移築ですが、ホテルの玄関ですのでそれなりの大きさです。
この帝国ホテルの竣工記念披露宴の準備中に関東大震災が発生(1923年9月1日)したそうですが、建物にほとんど被害はなかったそうです。
細工の施された大谷石と煉瓦積により内外のデザインがまとめられており、とても美しいです。エントランスは3層の吹き抜けとなっており、大谷石とレンガのラインがとても印象的です。空間的に少し低い印象を受けましたが、それが落ち着いた印象を与えているようにも感じました。
また、どの部分を取ってみても一切の妥協がないと言えるほど、細部にまでこだわって設計していることが見て取れます。
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ホテルという大規模な建築で、ここまでの詳細をもつこの建築に非常に良い刺激を受けたのとともに、どんな客室があったのかと興味をかきたてられました。