エピソード2:姉葉事件の確認審査機関
建築のほうは、江戸っ子ではない自分等のせいか、順調にぱっぱとは行かないこともありました。少しでも早く完成させたいということで、建築確認申請も当時は早く見てくれるという民間の審査機関に申請し、早く下すことは出来、着工もすぐ出来ました。しかしその審査機関はイーホームズという、当時構造偽装の姉葉事件で、スケープゴートとして、本業の建築審査業務ではなく単なる機関の設立手続き違反として廃業させられたところでした。そんなことは未だ誰も知らず、中間検査にも問題なく通ったのですが、その直後に廃業させられたため、完成検査は台東区役所にお願いに行ったら、廃業させられた審査機関の竣工検査は、そもそも建築確認申請が確かかどうか確証出来ないので、最初の建築確認から見直すと言われました。そうすると数ヶ月住むことが遅くなります。余命幾ばくも無いご主人をその間待たせることになります。そこでご家族に相談して、早く住まわせて上げたいということで、完成検査は受けませんでした。気を揉みつつも、なんとか建物はたいした問題もなく住めるようになり、ご主人にもその住まいに数年程住んで頂けたことは救いでした。