今週の火曜日と水曜日、宮城県石巻市と岩手県気仙郡へ事務所全体で研修旅行に行ってきました。
普段、現場では製材された色々な木材を当然のように目にしているのですが、それがつくられる製造の現場をしっかり目にして体で感じたいというのと、事務所で開発を行なってきたカラマツ集成材を使った新しい工法(DEWS工法)に関する打ち合わせというのが今回の目的です。
一泊二日の一日目は、宮城県石巻市にある山大さんにご協力頂いてプレカット工場を見学。東京から車で約4時間半、道がすいていたせいもあり思ったより早く着いたという感じでした。(わたしは全く運転していませんが・・・。運転手の柳本さんお疲れ様でした。)
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ここからはわたしの偏見も交えながら、山大さんのプレカット工場を簡単にレポートしてみたいと思います。
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縁の下の力持ち
今回見学させて頂いたプレカット工場というのは、主に土台、柱、梁などの構造部材について、工事現場に搬入する前に組み立てに必要な加工を行なうところで、街中で見る住宅建設現場であっという間に骨組ができあがってしまうのも、見えないところでプレカット工場が支えているからなのです。
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山大さんでは皮付きの丸太が角材に製材され、その角材が現場に向けて加工されるまでの工程を見学させていただくことができました。
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無駄無く料理
製材はまず、表面の皮を剥ぐところから始まります。製材のほとんどの作業がオートメーション化されていて、皮剥ぎは鉛筆削りのような機械で行なわれていました。その際出される大量の皮は、木材を人工乾燥させるための高温釜のバイオマス燃料として利用しているとのことでした。その他の製材時に出される木っ端なども全て、合板や紙類の製造へ利用されているとのことです。部位ごとに使い道を考えて一本の丸太を無駄無く使い切るというお話は、マグロの解体で聞いた話のことを連想してしまいました。
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びっしょりの原木
実は原木の状態で木を生で観るのははじめてで、考えてみれば当たり前と言えど、乾燥された木材ばかり見ていたわたしにとっては、びっしょりと湿った木というのは驚きでした。また、皮が剥がされた状態での白木の表面はとてもおいしそうな肌をしていて、割いてみたときの感じなどはまるで新鮮な鶏肉のようでした。魅力ある有機体というのは、みんな似たような雰囲気を放つものなのだと感じました。
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カット、集塵、移動、整列
皮が剥がされた原木はそれぞれのサイズにカットされます。ここでも作業はコンピューターによって制御され、ビュンビュンと加工が進められます。出される粉塵や木っ端も、排出されたそばから大きなダクトで大小もろとも吸い上げられ、所定の場所へ送られます。
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原木の臭い
カットされた木材は、昼夜休まず数日間高温の釜に入れられ、建材として必要な状態まで乾燥されます。釜の付近では、煙突から出てくる水蒸気で、お芋をふかしたときのような臭いをしていたのが印象的でした。