先月、伊豆高原で現在工事中の「相模湾が見える家」の配筋検査に行きました。設計事務所(建築士)の行う工事監理は工務店さんが行う現場管理とは違い、設計図書通りに施工されているかを確認することです。今回は配筋検査と基礎蓄熱冷暖房の配管工事、配管のスリーブが適切に施工されている等をチェックしてきました。
配筋検査のチェックポイントは、鉄筋の径、ピッチ、かぶり厚、補強筋、定着長さ、等々があります。
かぶり厚とは、鉄筋の酸化予防とコンクリートのクラック防止に必要なコンクリートの厚みでして、建築基準法施行令第79条第1項に規定されています。必要なかぶり厚がとれていないと基礎の耐久性に問題が生じることになるので重要な確認ポイントです。基礎の立ち上がり(土に接する部分)のかぶり厚は40mm以上とし、底盤(土に接する部分)のかぶり厚は60mm以上とします。このかぶり厚を確保するために、スペーサーが使用されますが、このスペーサーが適切に設置されているのかも確認する必要があります。
↑立ち上がりのかぶり厚、底盤のかぶり厚OK!
今回は基礎梁の形状の種類が多めでしたが、鉄筋の径、本数も問題なく、全て図面通り施工されていました。
建物を新築する際に地盤調査は必須で、地盤調査をすると「地盤改良工事が必要」と判定されることが多いですが、今回は改良工事は必要なく「べた基礎」のみの判定でした。伊豆高原は伊豆東部火山群の溶岩流などで形成された丘陵地で、岩盤地盤になります。つまり、地盤が固いということになります。基礎工事をする際の掘削ではこんな岩がゴロゴロ出てきます。
3年前に竣工した「伊豆高原の家」では、掘削した岩は廃棄処分にせず、庭の一部になっていました。(藁科)