開花予想のフライングから始まった今年の桜ですが、例年にない程、心ゆくまで堪能することができました。その訳はきっと特別な「お花見」を体験できたからでしょう。3月最後の週末、「深沢の家」と「真間川沿いの家」にお邪魔してきました。
「深沢の家」(写真左:建主さん提供)はHPにも書いた通り「桜」がキーポイントとなった住宅です。設計を始めた一昨年もちょうどこの季節で、まだ更地だった敷地に立ち、道路向いに咲く桜を眺めながらこの桜を設計にどう取り込むか思索していました。去年は完成間近ながらも工事中。そして今年を迎えました。桜の木は落葉樹です。建主さんは隣家の桜とはいえ、借景としての恩恵を受けているからと、1年を通して落ち葉掃除をしてきました。そして迎えた春。待望の桜です。奥様お手製のランチや甘酸っぱい苺のケーキを頂きながら「花が終わったらまた1年、お掃除だね」との話題にお嬢さんは「うわー」と苦笑い。よろしくおねがいしますね。
そして日曜日は「真間川沿いの家」(写真右:建主さん提供)を訪ねました。桜吹雪の中、この日は見学を希望された契約前のご家族もご案内させて頂きました。完成からまもなく2年になりますが、完成後に家の中から真間川の桜を眺めるのは今回が初。見学の方をお見送りした後、大工さんと監督さんも参加し2階のデッキで初の「お花見バーベキュー」となりました。工事中の苦労話も笑い話となり、ついつい時間を忘れて気付くと22時を廻っていました。帰り道、ほろ酔い(?)気分で眺める川沿いの夜桜も格別でした。
こんな体験をさせてもらえるのも「住宅の設計」という仕事の喜びの一つなのだと、あらためて感謝の気持ち胸に10年目の春を迎えます。(中嶋)