建築とは…

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谷口吉生氏設計の豊田市美術館に行ってきました。何かと評判が高く、どれほどの物かと多少斜に構えて見に行ったのですがあまりの完成度の高さに圧倒されました。一つ一つのディテールも然る物ながら、なんといっても空間の気持ちよさが抜群でした。ある空間に長く身を置きたいと思った度では過去最高です。最近は建物自体を魅せようとする傾向(私見ですが)に辟易していたので心身共にリフレッシュできました。時には異物のように空間に挿入された強力に主張する壁も良いのですが、この建物の壁はそこに壁があることを意識させず、基本的に建築とは空間を作るものなのだということを初めて感じることが出来ました。表情のある地形とそこに注ぎ込まれたトヨタの莫大な税金がこれ以上なく調和した奇跡のような建物だと思います。こういう建築が可能だと知ると希望が沸いてきます。写真を多数撮ったのですがこれほどの空間を素人撮影で表現できるわけもなく、その良さを感じられる写真は残念ながら1枚も無いので公開するのは裏門の表札とちょっと素敵な学芸員の姿に留めざるを得ません。

これだけ褒めると結構引かれるかと思いますが、引いた状態で見に行けばより強い衝撃を得られることでしょう。少しでも興味を持たれた方は是非天気の良い日に豊田市まで足を伸ばして下さい。(柳本)