敷地のどこにどんな植栽を植えようかと考えることは、好きな仕事のひとつです。竣工間際でまだ植栽が入っていない家の様子は、図面が3次元化したという意味では確かに完成形ですが、街に対しては少しよそよそしく映りもの足りません。料理で言えばさいごに加えるひと塩みたいに、植栽があるとないとでは印象がガラッと変わる気がします。
先日東京駅近辺のオフィス街で、ゆっさゆっさと10メートル以上ある大木が揺れていました。こんな都会でもこの木が一本あると気持ちのいいものだなあと思い、近寄って名札を見てびっくり。なんと住宅のシンボルツリーとしてよく使われるシマトネリコでした。
緑がスクスクと育つこの時期、私の近所では順番に植木屋さんに庭木の手入れをお願いしています。毎年「植木屋さんが入ったのよ」と家族に言われてはじめて、そういえば綺麗になったかなと思う程度だったのでしたが、巨大なシマトネリコを見て、改めて定期的な植木の手入れの重要さを感じたのでした。(青島)