先日天竜市にある秋野不矩美術館に行ってきました。設計者は藤森照信氏。新聞や雑誌にも良く登場するのでご存知の方も多いと思います。山の頂上にすっぽりと建っていて、はじめは見過ごして通り過ぎてしまいました。アプローチをすすむと、杉を見立てた電柱、麻紐で縛られた手摺、遠くに見える不思議な(!)建物への期待感を高めます。内部写真は撮影ができませんでしたが、外観はもちろんのこと、随所あまり目にしない素材や納まりで、どうやってるのか、どうしてなのかと気になるのですが、全体のバランスが整っているからでしょう、連れの家族は別に気にならない様子で、肩のはらない居心地の良さを味わっていました。「大好きな一枚を飾るために、小高い山の上の一等地に主が建ててしまった手づくりの館」。それ自身がたったひとつの作品でもある、そんな館を訪れた気分でした。(青島)