ロの字型平面の中庭がある平屋建て住宅です。
二台の車庫前の道路に面して、車寄せも二台分確保しています。
廻りの視線を気にせず生活できる住まいを、ということで外周壁には、中を伺わせる開口部を殆ど設けていません。屋根に見える立ち上がり壁は複雑になる屋根勾配を単純化するために設けたもので、昔からある卯建つのデザインを踏襲しています。
物干し場も、風は通しても中は見えない格子で囲われています。
中が見えないようにするには高い塀や門で囲えばそれでいいのかもしれませんが、それだと、周囲に閉ざした感じになると思い、此処では門も塀も低く抑えて、玄関ドアまでは中を見せて、迎え入れるようにしています。
ポーチは三段上がって玄関となっています。玄関脇の自転車置き場も格子で囲っています。
玄関から廊下を通って入った居間・食堂の空間です。中庭の向こうに見える窓は子供室です。
外周の殆どが壁でも、中央に大きな中庭を設けてあり、居間食堂始め殆どの居室の開口部がその中庭に開かれているため、開放的な住まいになっています。
広い中庭は、屋外での食事スペースや子供達の遊び場でもあるテラスも、また小さな菜園もあります。でも周囲の近隣からは四方に屋根があるため、全く覗かれません。奥に見える格子壁は自転車置き場で、向こうからこちらは見えませんが、帰ってきた気配は居間から分かります。その隣の木製引き違い戸は車庫に通じていて、中庭の工事や引っ越しの物の出し入れに使用されます。
キッチン側から見た食堂・居間・中庭で、奥に見えるのが客間兼和室です。
その和室から見た居間と中庭の風景です。居間を通らず和室に入れるようにもなっていますが、仕切りの襖を全て引き込むと居間と一体空間になります。
キッチンはL型でレンジは壁に面しています。
夜帰って、玄関ドアを開けると居間の灯りが目に入ってきます。
夜でも、ブラインドを上げておくと子供室から居間の様子が見え、居間からも子供室の様子が分かります。
豊かな空間が内部に広がっていても、外からは低い平屋建ての住まいです。
坦懐居
所在地：群馬県館林市
家族構成：夫婦、子供3人
構造：木造平屋建て
敷地面積：557.73平米（168.71坪）
延床面積：236.24平米（71.46坪）
施工：河本工業株式会社
担当：藤原・鈴木