注文住宅は依頼者の必要条件で内容が決まってきます。賃貸用共同住宅は、依頼者が共に住むものでもない限り、依頼者の要望する条件は個別的なことは少なく、全体的なことに限られ、意向は建物の質のレベル設定に現れます。
通常は収益用ということで、必要最小限に設定されること多いものです。
そのため外観デザインも敷地の条件から導き出されたものがそのまま特徴になりがちです。
今回の賃貸住宅は、その逆で、建て主さんの意向もあり、レベルがかなり高い設定になっています。
外観デザインは土地の法的規制の限界内で、効率を優先した形態となっていますが、仕様は今後60年、他の賃貸住宅にひけを取らないようにと、現段階で考えられる、最も高いものになっています。各戸の面積も分譲並みの広さで計画しています。
外壁は選択に吟味を重ねた、特徴のある細めのタイル、その下地には経垂れや剥離の無い、「 無機質系の外断熱材 」を同時打ち込みにしてあり、躯体全体が蓄熱体なっていて、外気温に左右されない温熱環境を有した戸建て並みのレベルの建築となっています。
各室の配置も通常のマンションのように画一的に並べるのではなく、メゾネットあり、トップライトの多い戸あり、中庭採光ありと多様に計画しました。
外断熱してあるので、内壁はコンクリート打ち放しが多くなっている部屋もあります。
北側トップライトから光あふれるキッチンです。
オーナーさんのアイデアでコンロレベルを一段下げています。住人の方に意見を伺ったところ、調理が楽で使いやすいとのことでした。
トップライトから採光の浴室です。
室内は素材感を大事にし、コンクリートと木質を対比させています。
目隠し障子の採光壁もあります。
3階の奥の方専用アプローチです。
帰ってきた時迎える玄関アプローチです。
所 在 地 東京都品川区二葉
構 造 壁式鉄筋コンクリート造 外断熱 3階建て
住 戸 数 6戸(内メゾネットタイプ2戸)
敷地面積 209.81 ㎡
延床面積 378.00 ㎡
設計担当 藤原・藁科
施 工 山崎工務店
竣 工 平成25年3月