住宅の設計は敷地が広いほど容易のように思えます。しかし生活は建物内だけではなく、敷地全体でなされ、すべてを考える必要があります。また広ければそれに見合った良さを生み出せなくてはなりません。
みどり野の家の敷地は、その半分でも、十分良い家が建ちそうな広い敷地です。敷地を住居、主庭、デッキスペース、アプローチ、駐車場、バックヤード、設備機器置き場、バスコートとそれぞれに性格を持たせて振り分けました。それぞれと中の各部屋が有効に関連しあう間取りとしています。
縦列二台分の通常駐車場と、勝手口通路でもある予備駐車場との間に、道路から玄関までのアプローチを設けました。途中で防音されたピアノ教室を垣間見せ、玄関収納隣の外部収納庫で止め、左に折れて中に入ります。収納庫は屋根付作業スペースを伴い、サービスヤードとの結界でもあり、目隠しでもあります。主庭は後で如何様にも作り込めるよう、当初は周囲を植え込みで囲っただけにしています。内部床を延長したかのような広いデッキは主庭と屋内との緩衝スペースであり、居間食堂から気軽に外へ出ることのできる、屋外の食事スペースです。またガーデニング作業の合間の腰掛けにもなり、二間(ま)続きの和室の縁側になることも期待しています。パソコンコーナーは二階にあって主庭が見え、かつ居間食堂も見下ろせ、子供室や玄関廊下の気配までもがうかがい知れる、住まいのコントロールセンターにもなっています。
所在地:茨城県つくば市
家族構成:夫婦、子供2人
構造:木造2階建て
敷地面積:448.9m2(135.8坪)
延床面積:143.3m2(43.3坪)
施工:株式会社柴木材店
担当:藤原・萩原