流麗舎

四角い中に柔らかな流れある家

千葉県の住宅地に建つ単一家族のための家です。
敷地の道路側以外の三方は隣家が迫っているため、明るさと、プライバシー確保のため、2階に主要な空間であるリビング・ダイニングを設けています。
庭及び2階デッキは、プライバシーを確保したうえで家の中から外部空間への広がりが楽しめるように隣家との間に木製の目隠し塀を立て、中庭的な雰囲気にしています。

ガレージハウス

建て主が車好きということもあって、駐車台数を多くという要望がありました。
そのため、インナーガレージ(屋内車庫)に3台、玄関側の寄り付きに1台、南庭に2台の、計6台の駐車スペースを用意しました。
南庭は、車がないときはそれをあまり感じさせないように床や塀を工夫しています。建物前の寄付きも殺風景にならなように、駐車場らしくなく計画しています。
敷地形状から、建物平面形状が四角くならざるを得ないのですが、曲線を多用することで、固くない流れるような空間となることを意識しています。

結設計に依頼した経緯

当初(結設計に設計依頼される前)、建主さんの知己の建設会社に住宅の建築を設計施工でお願いしようとしていたら、その会社では予算の倍以上の工事費になりそうと分かり、それでは計画を進めるのは無理なので、別の方法をとることを考えた時、結設計を思い出されたそうです。
結設計で20年以上前に今回とは別敷地にご自宅を設計させて頂いた縁もあり、別の建設会社で予算オーバーになったけど結設計にお願いしたら何とかならないかとのお話しをいただきました。
そして、予算に合った工事費になることを条件に私ども結設計の設計が始まりました。

 

門前の寄り付きでありつつ、玄関前と透かしたフェンスで区切り、曲線の屋根をかけることで一体化して、狭さを感じさせないポーチとしています。

アイアン門扉を開けると、ポーチに水のあふれ出る球体オブジェが迎えてくれます。

インナーガレージ(車庫)は奥にもガレージドアがあり、それを開けることで南側庭まで通じ、来客の車が多い時などに車を南庭に移動させることができます。


南側の庭は車が二台駐車できますが、車がないときはそれをあまり感じさせないように中庭風にしました。隣家の窓からの視線を避けるために、風が通る塀を高く巡らし、防犯対策にも配慮しています。


南庭から回り階段で二階デッキに直接上り下りできます。


回り階段を上ると二階デッキになっています。ここも隣家の視線を遮るため、一階と同じように風を通す目隠し壁を高く廻しています。


二階デッキは深い庇がかかる、陽の差す中庭アウトリビングのようにしています。


玄関内部はドアの脇のFIXガラス(防犯ガラス)からは光が入り十分な明るさを確保し、曲面の壁で内部に誘うようにしています。


玄関土間のベンチを延長した階段ステップが二階へ、誘うように設けてあり、ホームエレベーターのある廊下の奥にある部屋を通して、南庭も微かに見えます。土間の右側にはシューズインクローゼットを備えています。


廊下奥の二室は一室にも使えるゲストルームと多目的ルームです。


寝室からもインナーガレージ(車庫)の車が見える窓を設けています。


階段を上る際には、段板の間からインナーガレージ(車庫)の車が見えます。


階段を上ったところに、建具を取り払うと居間から延長する予備室があります。


二階のリビングダイニングキッチンで、冬は奥深く陽が差し込み、夏は深い庇で内部に陽は射しません。


リビングから望むキッチン、PCコーナー、その向こうにEVのドアが見え、その奥左右に子供室、水回り諸室、階段右に子供室とパントリーを備えています。


ダイニングリビングで、大谷石の壁の丸窓からは朝日が差し込みます。


夜には部屋の明かりが漏れてくるアウトリビングです。


玄関前の夕景。

流麗舎データ

所在地  :千葉県
家族構成 :夫婦、子供1人
構造   :木造2階建て
1階床面積:118.83m2(35.95坪)
     〔車庫49.27㎡(14.94坪)とEV面積含む〕
2階床面積:99.37m2(30.10坪)
     〔法規上含むデッキ床面積は不算入〕
延床面積(壁で囲まれた実質床面積):218.20m2(66.12坪)
     〔車庫、EV面積除く法延べ面積=186.45㎡(56.50坪)
建築面積 :156.16㎡(47.24坪)
敷地面積 :276.97m2(83.78坪)
建蔽率  :56.38%
容積率  :67.32%
施工   :株式会社佐久間工務店
設計監理 :結設計 藤原・藁科

写真撮影 :齋部  功